水戸市 糖尿病・甲状腺センター 医療法人永和会 みなみ赤塚クリニック

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内科、糖尿病・代謝内科、内分泌内科
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糖尿病とは

糖尿病と仲良く付き合っていために

  • 1 糖尿病950万人の時代。  1)20歳以上の5人に1人は糖尿病の可能性。  2)中高年の生活習慣は危険がいっぱい。
  • 2 糖尿病は「沈黙の病」であり足音も無くやって来ます。
  • 3 定期的な検診で血糖の良いコントロールが大切です。 ○血糖値とは、血液中の糖(ブドウ糖)の濃さのことです。
    ○HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)とは検査時から過去
    1~2ヶ月間の血糖の平均値を示したものです。
  • 【血糖値・HbA1cの目標値】

      目標値
    血糖値 空腹時 110㎎/dl未満
    食後2時間値 140㎎/dl未満
    HbA1c 6.2%未満
    (日本糖尿病学会編 糖尿病治療ガイド 2012-2013)
  • 4 生活習慣病の治療の基本は食事療法と運動療法です。
  • 5 糖尿病治療の最終目的は合併症の発症予防と進展の阻止です。

糖尿病の概要

現在、わが国で糖尿病が強く疑われている人は約950万人、糖尿病の可能性が否定できない人は約1,100万人と推定されます。
20歳以上の5人に1人は糖尿病の可能性があるということになります。

【参考】
厚生労働省「平成24年度国民健康・栄養調査結果の概要」
厚生労働省ホームページより
糖尿病列島

糖尿病の基本

私たちは、いろいろな栄養素を食べ物として体に取り入れ、生命を維持しています。とくに糖質、たんぱく質、脂肪の3つは三大栄養素といわれます。
これらの栄養素が消化・吸収されると、肝臓でブドウ糖(血糖)が合成されます。血糖は体にとって最も重要なエネルギー源であり、体温を維持したり、筋肉を動かしたり、脳細胞が働くために利用されます。

筋肉や肝臓が血糖を利用する際、インスリンというホルモンが重要な役割を果たします。インスリンは、すい臓のランゲルハンス島という細胞でつくられ、特に血糖が高くなると大量に分泌されます。血液中のインスリンが増えると、筋肉細胞では血糖の消費が促進され、肝臓や脂肪細胞では血糖をグリコーゲンや脂肪の形で蓄えるのです。
糖尿病の基本糖尿病の基本
これらの作用は、細胞の表面にある鍵穴(受容体)にインスリンがくっつくことで、細胞が刺激を受けて起こります。 もし、インスリンが少なかったり、細胞がインスリンの刺激にあまり反応しなくなると、こうした血糖を消費したり蓄えたりする仕組みがうまく機能しなくなります。その結果、血液中にいつまでも血糖がたまっている状態(高血糖)が続き、糖尿病につながるのです。
糖尿病の基本

生活習慣と定期検査について

糖尿病の発症には、その患者さんの生活習慣が密接に関係しています。特に中高年の方は、仕事や家庭の責任が年々重くなり、なかなか自分の生活習慣を見直す余裕がありません。太っている、運動不足の人、大食いや早食いの人、ストレスが多い人など、生活習慣(環境)が生活習慣病になりやすい原因となっています。その他の原因としては、家族、血縁者に糖尿病患者のいる人など、体質(遺伝)も原因となります。
生活習慣病予防

糖尿病は重症になると症状が現れますが、大部分の方はほとんど無症状です。糖尿病は自覚症状があまり出ないため、「糖尿病が良い状態」かどうかを確認するためのさまざまな定期検査がとても重要になります。

糖尿病のコントロール状況を調べる検査には、血糖値、HbA1cなどがあります。血糖値は血液中の糖(ブドウ糖)の濃さを調べます。空腹時の血糖だけでなく、食後の血糖もコントロールしなければなりません。
血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンにブドウ糖がくっついたものをHbA1cといい、血糖値が高くなると増加します。この値は検査時からさかのぼって、1~2ヶ月の血糖コントロールを示しています。
血糖値、HbA1cの目標値

自己管理のために「5つのはかり」を利用しましょう

  • 決まった時間に体重を測る。
    これは、適正な体重を維持する上で役立ちます。
  • 尿糖と血糖を定期的にチェックする。
    血糖値をコントロールするため不可欠です。
  • 食事は食品交換表にもとづいて、摂取単位をきちんと守る。
    食事の量は、「腹七分~八分」が原則です。
  • 運動は規則正しく行う。
    食後の散歩をやや早足で15分以上行うと効果的です。
  • ストレスチェックを怠らない。
気持ちの上で焦らず、ストレスをうまくコントロールすることも糖尿病克服には大切な要素となってきます。日常生活では、いろいろな事が起こります。
それに適切に対処すること事も大変重要ですが、それ以上に普段から自分の病状をしっかりと把握し、血糖値を常によい状態に保っておくことが大切です。
糖尿病治療の基本は自己管理です。医者任せにすることなく、常に自分の健康管理に注意を払ってください。「自分の主治医は自分」という気持ちが大切です。
自己管理のための5つのはかり

三大合併症について

糖尿病で怖いのは、様々な合併症です。これには大きく分けて、急に起こるもの(急性合併症)とゆっくり起こるもの(慢性合併症)があります。
急性合併症の代表が、糖尿病性昏睡です。急激に血糖値が上がることで意識を失い、命にも関わります。これに対し、慢性合併症は気づかないうちに進行している点で、より厄介です。慢性合併症のうち糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症は、高血糖が長く続くことによって起こる、糖尿病特有の合併症です。

糖尿病神経障害は比較的早くから現れ、足のしびれ・痛み・つり・冷え・ほてりなどの症状を呈します。悪化すると、ちょっとした傷や火傷がきっかけで壊疽になることもあります。
糖尿病による様々な合併症
糖尿病網膜症は眼底の血管がつまったり出血したりするもので、年間4,000人以上が失明し、成人では失明の最大の原因になっています。しかも、早期には自覚症状がなく、眼科での定期検査が必要です。

糖尿病腎症は、血液をろ過する腎臓のフィルターの目が粗くなったり、目詰まりするものです。その結果、体がむくみ、尿に出るべき毒素がたまるようになります(腎不全)。腎不全が進行すると人工透析が必要になります。糖尿病腎症から透析をスタートする方は年間約15,000人で、人工透析患者の約3分の1を占めるようになりました。
糖尿病網膜症 糖尿病網膜症 壊疽 壊疽

日常生活で出来る運動の実例

  • ・エレベーターの代わりに階段を使う。
  • ・車を降りて、店まで歩く。
  • ・昼食や用事に出る時は歩くようにする。
  • ・電話の時は立って話す。
  • ・社内で話す時は電話やEメールではなく、相手のデスクまで歩く。
  • ・車の代わりに歩くか公共交通機関を使う(可能なら)。
  • ・夕食後に座ってテレビを見る代わりに散歩に出る。
  • ・レストランではなく、体を動かすような場所で人と会うようにする。
  • ・活動的になる。公園、美術館などに出かける。
日常生活で出来る運動

続けるためのヒント

最初は10~15分の運動にとどめましょう。体調が良くない場合は特にこれを守ってください。運動療法を徐々に強化して、週に最低3~4日は活動するようにしましょう。毎日活動するとさらに効果的です。必ず最初にウォームアップの運動とストレッチを10~15分行い、最後もストレッチを10~15分行うようにしましょう。低血糖時に対処できるようにブドウ糖などの持参を忘れないようにして下さい。

注意: 始める前に必ず医師と相談してください。糖尿病をうまく管理できていない状態で運動療法を始めるのは危険です。

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